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前編「With コロナ時代における小売業の DX」第一部セミナーレポート

With コロナ時代における小売業の DX

2020年11月13日に開催された「With コロナ時代における小売業の DX」 のセミナーレポートを前編後編に分けてお届けします。

  1. セミナー名 「With コロナ時代における小売業の DX」
  2. 主催者名 株式会社フジテックス
  3. 講師名
    逸見光次郎氏、土屋哲雄氏
  4. 日時 令和 2 年 11 月 13 日 16 時~18 時
  5. 場所 ZOOM オンラインセミナー
  6. セミナー内容
    第一部『いま求められる小売業のデジタルシフトとは?』逸見幸次郎氏
    第二部『コロナ禍でも好調!ワークマンの成⾧を支えるデジタルシフト戦略』土屋哲雄氏
  7. セミナー背景
    業界の垣根を超えた競争の激化、消費者ニーズの変化の加速、慢性的な人手不足など、コロナウイルス感染拡大によって、流通小売業界では様々な課題が顕在化し、DXの必要性が加速しました。
    一方で、本当の意味でのDXを推進できている流通小売業は非常に少ないというのが現状です。今回は業界でもいち早くDXを推進され、成果を出されてきているお二方にDX推進を成功させるためのポイントや考え方についてご講演をいただきました。

第一部 いま求められる小売業デジタルシフトとは?

逸見 光次郎氏

講師:逸見 光次郎氏
株式会社CaTラボ 代表取締役 オムニチャネルコンサルタント

1.なぜ今DXが求められるのか

通信環境や顧客接点、販売方式はこの20年間で劇的に進化した。 少子高齢化や核家族化、今年の新型コロナウイルスの影響が社会背景として存在する中、既に国内市場は成長市場ではないということが言える。 消費者にとってデジタルツールの利用が当たり前となってきており、流通小売の事業者がが正しく世の中の流れやニーズをとらえるという事がDX推進を成功させるためのポイントとなっている。

2.そもそもDXとは何なのか

DXとは?

DXとは?

DXの定義

企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、
製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

シングルチャネル→オムニチャネルへ

3.DX推進のポイント

DXには「社外のDX」と「社内のDX」とがあり、その両方がそろってDXが実現ができる。

社外/社内のDX化オムニチャネル化

社外のDX

・顧客の情報をデジタルで見える化し、個客と繋がる。(商品勘定から顧客勘定へ)
例)年間300億円の売上目標を、商品ごとの集計ではなく、お客様単位で考えていく。

・分析指標~購買分析と行動分析~
顧客分析を実施する際は、購買分析→行動分析の順で行う。
この二つは可能な限りIDで紐づけて仮説を立案する。
※その際データは必ずしも100%なくてもいい。

【購買分析】
「顧客」、「商品」、「店舗」、「EC」の4つの要素で掘り下げて、すべてを顧客に紐づけて分析する。

購買分析

【行動分析】
購買前後の行動をアプリ、ネット、チラシ(+クーポン)で見える化する。

商品勘定から顧客勘定へ

社内のDX

社内のDX化のポイントは大きく分けて6つ。

  1. 顧客情報とチャネル統合
    先述の顧客情報の統合と商品勘定から顧客勘定への移行。
  2. 単品管理と物流一元化
    商品マスタの整備、在庫の一元管理、在庫・非在庫と納期管理(メーカー支援必須)
  3. 組織と評価軸を重視
    顧客に対して横ぐしで機能する組織と会議体の基盤づくり、共通KPIの設定(利益・LTV:リピート)
  4. 社外連携による強化
    自社内で完結できないことは、外部の手を借りて整備する。
  5. ITシステムを営業がつくる
    エンジニアだけがシステムを作るのではなく、営業が使う道具として設計に携わる。費用対効果は営業が出す。
  6. 経営が戦略を明確にし、現場は数値化する
    現場はKPIではなく、財務諸表と社内言語で情報共有する。

4.DXを実務に落とし込むためのポイント

1.人材育成

DXを実務に落とし込むためには、社内の人材育成が重要
現場社員しか知りえない情報を元に分析し、構想を練ることができる。
現業から教育することがDX化の成功の近道である。

×:外部の専門家に施策を任せる
〇:外部専門家に社内で育ててもらう
外部の専門家に丸投げをしてしまうと、自社にノウハウが蓄積されない。

2.DXの考え方

DXを顧客満足、従業員満足、楽しさ、効率化の4象限で議論をする。
「顧客の楽しさ」、「働く人の効率化」に焦点が当たることが多いが、「顧客の効率化」、「働く人の楽しさ」も含めて議論し、実施施策を検討していくことが必要。

顧客満足、従業員満足、楽しさ、効率化の4象限

3.組織にマーケティング思考とデジタル化を定着させる

  • 縦割と横通しは会社のステップ、成長段階に応じて変化する
  • 経営の理解不足は現場の説明次第。顧客視点と顧客数字で語る
  • 財務諸表で説明すれば、投資の費用対効果もわかりやすい
  • 新入社員から経営層まで、継続的な教育プログラムを組む

4.組織にマーケティング思考とデジタル化を定着させる

戦略が経営で戦術が現場という印象が強いが、本来は一体化して考えるべき。
お客様のデータが可視化され、社内共通で理解ができれば階層で考えることができる。

顧客起点のDX/フレームワーク

5.評価軸について

経営視点で横ぐしで考えることは大切だが、評価軸が追い付いていないことが多い。
例えば、店舗とECの連携で、店舗受け取りの売上を誰の評価にするのかという点で対立しがち。

解決策としては、各部署がどういった協力関係にあるのかをしっかり見える化した上で、
『関与売上』という考え方を導入し、ダブルカウントでの評価軸にしていくと良い。

関与売上

まとめ

会社は何のためにあるのか?

会社は何のためにあるのか?

デジタルで可視化した顧客軸でPDCAをまわす

デジタルで可視化した顧客軸でPDCAをまわす

課題を全体最適で考える

「悩ましい現状」に対して「そのためにやること」を考えるのではなく、

「悩ましい現状」からまずは「ありたい姿」を想像し、そこからのバックキャスティングで「そのためにやること」を考えていくと、やるべきことが変わってくる。

全体最適でのDXを推進していくためには、「ありたい姿」を考え、そこからの逆算思考でやりべきことを考えていくことが重要。

最後に

流通小売業で本当にDXが進んでいる企業は一握りしかいないが、一方で、様々なコンサルタントが流通小売企業のデジタル化支援を行っている。

しかしながら、デジタルツールの導入支援はするが、運用支援は行えない、財務諸表/全社KPIと紐づかない部分的な導入支援、人材育成までつながらないといった課題が多く存在する。

小売業におけるDX推進、デジタルシフトの要は社内の人材育成にある。

あわせて、社内の情報格差をなくすこと、顧客起点でデジタルシフトを進めながら社外の専門家を活用しながら、人材教育も進めていく。

 DXの真の目的は、リピート顧客が増えて継続的な利益が増え、作業が減って社員が活き活きと働けるようになることであり、デジタルはあくまでそのための手段である。

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