「中国輸入STOP!~廃プラ・古紙・雑品~対策セミナー」を開催いたしました

「中国輸入STOP!~廃プラ・古紙・雑品~対策セミナー」を開催いたしました

9月26日、「中国輸入STOP!~廃プラ・古紙・雑品~対策セミナー(主催:環境ビジネス、共催:フジテックス)」を開催いたしました。

中国が2017年末までに資源ゴミの輸入規制を発表

中国が7月に環境負荷の大きな廃棄物の輸入停止をWTO(世界貿易機構)に通達、同27日には中国国務省が輸入禁止に向けたアクションプランを正式に承認しました。「2017年末までに環境負荷の大きな資源ゴミの輸入を禁止する」という文言が記されていることから、年内にも具体的な輸入禁止措置が開始するともいわれています。

廃プラ、古紙、雑品などの中国輸出ルートが今後どのようになるのか、各業界の専門家の方にお話しいただきました。

冒頭、環境ビジネス編集長、白田氏より開催趣旨をお話しいただきました。現時点では明確に決まっていないことも多く、情報収集をする上で確定情報と憶測情報を分けて考えることが重要だということでした。

MIX古紙130万トンの行方

第1部では、古紙ジャーナル社 代表 本願貴浩氏と取締役・編集記者本願雅史氏より古紙業界の影響と今後の予測についてお話しいただきました。

不透明な点は多いと前置きされたうえで、(1)一部古紙の中国向け輸出の持続、(2)他アジア諸国への輸出、(3)国内製紙メーカーへの回帰、(4)RPF用途、(5)在庫、備蓄、廃棄物化、の5つの可能性について見解を述べられました。

有限会社古紙ジャーナル社 代表取締役 本願貴浩氏

有限会社古紙ジャーナル社 代表取締役 本願貴浩氏

製紙・鐵工業界でのRPF需要予測と新規需要家の必要性

第2部では、(社)日本RPF工業会 事務局長 補佐 長橋氏よりRPF事業の現状と将来性をお話しいただきました。

既存の需要先である製紙・鉄鋼業界での需要について予測を述べられたうえで、売電事業者など新規の需要先の開拓が必要だとお話しいただきました。

一般社団法人日本RPF工業会 事務局長 補佐 長橋和男氏

一般社団法人日本RPF工業会 事務局長 補佐 長橋和男氏

ASEAN市場向けのプラスチック輸出の現状

第3部では、(株)パンテック 取締役営業本部長 黒木氏よりプラスチック輸出についてお話しいただきました。

2017年2月に中国税関で「国門利剣2017」の会議が開催され、その後段階的に情報をメディアに公開、7月のWTO通告、8月の輸入廃棄物管理リストの発表に至った経緯について説明いただきました。その後の流れとして、10月の中国共産党の党大会の後、11月頃に詳細が発表される可能性があるという見解を述べられました。

中国向けとASEAN向けのプラスチック輸出の比較と現状についてもご紹介いただきました。

株式会社パンテック 取締役営業本部長 黒木伸亮氏

株式会社パンテック 取締役営業本部長 黒木伸亮氏

現時点では詳細が未確定のものも多くあります。ただ、成形ロスなどの未使用プラスチックも2019年末までに段階的に輸入停止するなど、中国への輸出量が減ることは確実な情勢です。

中国輸出可能な品質基準のクリア、ASEAN地域への輸出、国内ルートなどいくつかの選択肢がありますが、いずれのケースでも高精度選別によるリサイクル品の品質向上の必要性が増してくるのではないかと感じました。

今後の動向についても引き続き情報収集をして、ご報告したいと思います。

当初、定員100名で開催を予定していましたが、数日で定員を超えてしまい、急きょ定員を140名に増やしました。それでもご入場いただけない方がいらっしゃったため、参加者を抽選させていただきました。

そのため、10月17日にも同様のセミナーを開催予定です(10月のセミナーでは、プラスチックの対策が中心になり、古紙・雑品の講演はありません)。お申し込み、詳細は下記よりご確認ください。