【見学会レポート】廃石膏ボード再資源化事業見学会in北海道

最終処分場の残余容量逼迫が深刻化し、札幌市が所有する処理場のうち廃石膏ボードを安全に処理できるのは1か所のみという厳しい現実に直面している北海道。
廃石膏ボードの不適切な処理は有毒ガスの発生リスクも伴い、持続可能な処理体制の構築は、今や地域の喫緊の課題です。
この課題に対し、実際に北海道内で廃石膏ボードの再資源化に取り組まれている2社にご協力頂き「廃石膏ボード再資源化事業見学会」を開催いたしました。
【見学先①】北海道吉野石膏株式会社様
北海道吉野石膏株式会社様は、廃石膏ボードから分離した再生石膏粉を石膏ボードの原料として受け入れている北海道吉野石膏株式会社様(恵庭市)を訪問しました。

再生石膏粉が新品の石膏ボードに再生されるまでの一連の製造工程を見学させて頂きました。
北海道吉野様の定める厳格な品質基準をクリアした石膏粉のみが原料として受け入れ可能ですが、廃石膏ボードを原料として新品の石膏ボードにリサイクルするマテリアルリサイクルの取り組みを実現するため、参加者からも受け入れ基準に関しての質疑応答、意見交換が活発に行われました。
【見学先②】空知環境総合株式会社様
午後は、今回の見学会のモデルケースである空知環境総合株式会社様(岩見沢市)を訪問。同社は、地域の解体会社が直面する「処理先の確保」や「輸送コスト増」という喫緊の課題に応えるため、廃石膏ボードのリサイクル事業への参入を決断されました。

▲設備導入当時のお写真
見学会では、当社から納入させていただいた石膏ボードリサイクル設備が、廃材を価値ある資源へと変える様子を実演。2本の回転ロールで高精度に分離された石膏粉は、さらに粉砕・整粒され、「土壌改良材」としてリサイクルされています。 この先進的な取り組みは、同社内のリサイクル意識を高め、自社が持つ最終処分場への埋立量削減にも大きく貢献しています。


その他、空知環境総合様では単純焼却からの脱却、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、廃木質をチップ化し、バイオマス燃料として再資源化する新たな事業にも取り組まれており、生木や伐根などの処理困難物の破砕を得意とするドイツ・ARJES社製の自走式破砕機「EKOMAXX800」による破砕デモも実演いただきました。


▲廃木材破砕のbefore/after
事業化の鍵は補助金の活用
空知環境総合様は石膏ボードリサイクル設備、廃木材リサイクル設備のいずれの設備も「事業再構築補助金」を活用されて設備を導入されております。リサイクル事業の立ち上げには設備投資は必須となります。様々な補助金制度を活用することが新規事業の立ち上げを実現させるアクセルとなり、皆様の事業拡大、売上拡大の後押しとなります。
弊社では、サーキュラーエコノミーの実現に向け、幅広い設備ラインナップのご提案から、再資源化・再生品化企業(出し先)のご紹介、許認可取得、補助金申請支援までをワンストップでサポートして参ります。