帰宅困難地域の解体整備事業が開始、不燃廃棄物のリサイクルにARJES導入。
株式会社相双スマートエコカンパニー 様
- 業種
- 再資源化処理施設
- 主な対象物
- 不燃性廃棄物
- 目的
- 建廃、粗大系廃棄物の破砕
- 導入設備
- ドイツ製二軸破砕機ARJES VZ950E Titan
コンクリートがら等の解体系建廃、家具など粗大系廃棄物を強力に破砕!
環境省の推進事業で福島県双葉郡大熊町に建設された相双スマートエコカンパニー様に国内最大級のドイツ製二軸破砕機ARJES VZ950E Titanを納入頂きました。
復興事業でリサイクル推進
福島県では、政府による特定復興再生拠点区域の整備事業で、インフラの復旧整備や家屋解体、除染作業が進められています。そこからコンクリートがら等の不燃廃棄物や家屋解体系廃棄物が大量に発生します。それらのリサイクル処理体制を整える為、平成30年に環境省の補助事業の採択を請けて相双スマートエコカンパニー様が複数社の出資により設立されました。2020年10月に竣工され、厳しい放射線量管理のもと、コンクリートや金属スクラップなどを破砕選別し、鉄、アルミなどの金属や路盤材といった再生利用を推進されています。
幅広い破砕対象物を評価
施設内では複数の破砕選別ラインが構成されており、ARJES VZ950E Titaを瓦、レンガ、コンクリートガラや粗大系廃棄物のラインで採用頂きました。金属片やコンクリートなど一般的に破砕機への投入禁忌品とされる対象物を破砕しなければいけない為、国内の納入先を見学頂き、破砕能力を実感頂きました。二軸式で噛み込みが良く、油圧システムにより実現している粘り強い破砕能力で幅広い廃棄物を破砕している様子をご覧頂き、採用に至りました。
見学頂いたのはキャタピラ式の自走エンジン式タイプですが、納入したVZ950Eは電気モーターを動力とする定置電気式のタイプです。
プラント向きの定置式
500kW(670hp)のパワーで稼働するVZ950E Titanは、破砕ユニットとパワーユニットで形成されます。パワーユニットには制御盤、電気モーター、油圧ユニットが搭載されており中央制御盤と連動して稼働します。事前にARJES技術者と打ち合わせし選別ラインに合わせた専用架台を用意し、制御盤は国内輸入後に改造・検品を行いました。
廃棄物処理の許認可の関係や、後工程との取り合いを考慮して、定置電気式での引き合いも増加しています。
福島イノベーション・コースト構想
「福島イノベーション・コースト構想」とは、2011年に発生した東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するために、新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクトです。産学官が参画し、ロボット、農林水産、エネルギー・環境リサイクル、医療、航空宇宙など複数の重点分野において企業誘致や情報発信、人材育成に取り組まれています。
その一環で福島県に設立された「ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会」で検討された成果に基づき、相双スマートエコカンパニー様の事業スキームは形成されています。地場の廃棄物処理企業も共同出資され、2020年10月より適正処理・再利用を推進されています。
▲ 破砕シャフト
▲ 処理前の対象物